迅速な下山の手段を考える・その2

前回のつづき。
ピストンせずに迅速に下山したい! そのためには、下山に使う乗り物を持ち運んでいくしかない。そう考えたとき、まず思いつくのが「キックボード」だろう。最も軽いもので2kg程度、折りたたみも可能。ザックにうまくくくりつけられれば、下山の手段として使えるかも知れない。
というわけで、さっそく最適な機種を探してみた。


これが「JDRazor MS-132 Off Roard*1。6インチのエアタイアを装備したモデル。ロードノイズは格段に少ない。重量は3.9kgほど。重さに関してはなんとか許容範囲なのだろうが、いささかデカい。折りたたまれた姿も、ムダな空間が目立つ。実際これをどうザックにくくりつけるかを考えると悩んでしまう。

もうひとつは、JDRazorのラインナップで最も軽いキックボード「JD BUG MS-101SP」で、重量は2.4kg。しかし、タイヤは4インチのウィールである。ちょっとでも路面に凹凸があると、振動がきびしい。完全に街乗りといった感じだろうか。

実際、こいつらを凹凸の激しい林道で試すにはちょっと躊躇する。そんなときは先人たちの知恵に頼ってネットを徘徊しよう。「キックボードを下山の手段に」と考えたのは、当然のことながら自分だけではないようだ。しかし実際に試した人のブログを見てみると「やはりか…」と言わざるを得ない。

http://blogs.yahoo.co.jp/kasadoracing2000/52565222.html
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-196962.html

これらの記事を読むと、体積や重量よりも、もっと切実な問題にぶちあたる。
そう、とにかく貧弱なのだ、ブレーキが

それもそのはず、キックボードのブレーキは、たいていは「上からウィールを踏みつける」タイプ。地面を蹴って進むが、出せる速度なんてたかが知れている。そのうえ、路面との摩擦ですぐに止まってしまう。だからブレーキも、最低限ウィールを止められるものであればいい。しかし下山の場合は、こうはいかない。延々と続く下り坂では、重力がぐんぐんキックボードを加速させる。ブレーキはほぼ、かけっぱなしの状態にしないといけない。しかし、踏みつけるタイプのブレーキでは、ウィールが耐えられない。

事実、上記に紹介した記事では、案の定ウィールが熱を持ちすぎて、最悪破損している。
ハンドブレーキのキックボードも一部存在はするが、ブレーキシューがタイヤを直接挟むタイプのものがほとんどだ。これでは、結局のところ破損する箇所が上か横か、の違いだけである。

実際、このどちらのキックボードも購入して、使えないかどうかを模索してみた。JD BUGのほうは…家の近所をうろつくだけでも辛かった。これはやはり子供のおもちゃだ。Offroadのほうは、乗り心地はなかなかだ。しかしやはり心配事はブレーキ。踏むタイプのブレーキのままでは、タイヤがもたないだろう。ましてやエアタイアなので、パンクも心配だ*2

これを活用する方法としては、リアにハンドブレーキをつけるのが考えられる。しかし、ホイールがプラスチックなので、このままつけたとしても摩耗が激しいだろう。ホイールか、もしくはシューのあたる部分を金属にする工夫をしなければならない。

キックボードにリアブレーキをつけている人はこんな感じ。
http://www3.ocn.ne.jp/~carioca/kickboard/kickboard.html

この方はエアタイアではなくウィールの改造だけれど、エアタイヤでもやるなら同じような感じの工夫になるだろう。しかしこれは手間がかかるし、バルブの収納がどうなるかわからないから、パンクした時の修理が面倒そうだ。

あとは6インチ極小径車のホイールをどこからか調達してくる方法か。6インチの自転車はHANDYBIKEKOMAなどがある*3が、そのいずれもホイールのみを手に入れられる気配はない(HANDYBIKE6のホイールなんかプラスチックだしね…)。

本気になればこのテの改造はやらなくもないのだけれど、気になるのはキックボード本体の携帯性。Offroadをベースに考えると、やっぱりデカい…。*4 そこが実際の改造へ、二の足を踏んでいる理由だ。

と、とりあえず…キックボードは一旦ペンディングにして、他の方法を模索してみることにする。

「その3」へ、つづく。

*1:本当は「Road」が正しいんだが、あろうことかメーカーがスペルミスして売りだしていた模様。ちょっと考えられないことだが! なお現在ではこのモデルはすでにディスコンです。

*2:極小径車のユーザーによれば、6インチのエアタイヤは、ただでさえパンクしやすいらしい。

*3:A-Bikeはブレーキがちょっと特殊なので除外する。

*4:横にするとそうでもなく見えるんだが、意外とデッキがデカいので、タテヨコ両方にかさばる感じなのです。